新年あけましておめでとうございます。
 旧年中は小社および小社刊行物をご愛顧いただきまして、まことにありがとうございました。

 ご縁あって、小社最初の本となりました、多田欣也さんの酒場めぐりイラストエッセイ「二十世紀酒場」シリーズ。
 昨年は、おかげさまで第二集「二十世紀酒場(二) 東京・さまよいはしご酒」を刊行することができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
 昔の面影を伝える古き良き酒場は全国にまだまだたくさん残っており、今夜も明かりがもれる窓の奥では、一杯の酒を楽しむ愉快な呑兵衛の声が響いています。
 今後もガイドブックとは異なる、酒場の素晴らしさをお伝えできる本の企画を続けていきたいと思います。

 そして、今年3月で満2年目を迎える、<自分をさまよい、世界を彷徨う、コアジャーニーマガジン>「Tabistory.jp」。
 選りすぐりの著者による、こだわりの旅の連載も徐々にですが増えてきております。今後も魅力的な方々に数多くの執筆をいただき、質・量ともにアップした「Tabistory.jp」を楽しんでいただけるよう努めていきたいと思います。
 また、掲載作品、そして著者の皆さんが、さまざまな形で外部ともコラボできるような環境づくりにも取り組みたいと思います。

 そして今年は、さらに新しいことにチャレンジしたいと思います。

 まず2月には、新たなシリーズ書籍「人生と道草」の刊行をスタートいたします。
 ワンテーマ形式で、編集人の私がひと味違う道草を取り上げ、魅力をお伝えしたいと思っています。
 およそ2か月ごとの予定で、毎回、16ページから64ページ程度の手軽な価格とボリュームで、「成り行きにまかせて、細く長く」をモットーに続けていきたいと思っております。

 また、単行本企画としては、今春、「カウボーイ」をテーマにした本の刊行を予定しています。
 著者は元電通マンで、自身のブログ『月間ショータ』をはじめ、ハフィントン・ポストなどでコラムニストとして活躍されている前田将多さん。
 会社を辞め、長い間憧れだったカウボーイの生活を経験するべくカナダへ渡った著者。大平原が続く牧場での修行の日々の暮らしをまとめました。
 日本人が知らない、現代のカウボーイの姿が見えてくるだけでなく、今のアメリカ大陸で起きているさまざまな現象は、カウボーイの歴史とも深いところでつながっているのではないかと思わせる興味深い内容です。現在、編集作業を進めています。

 一人出版社でできることには限りがあります。
 だからこそ、神田で、いや、日本でいちばん小さな出版社として、既成の出版では真似できない、「自由で魅力ある本づくり」を目指していきたいと思います。

 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

  合同会社 旅と思索社
   代表社員 廣岡一昭